無農薬なのは勿論のこと、
無肥料で育てられるのが“自然栽培”の野菜なのだが、
今まで当たり前のように使われてきた肥料とは、
いったいいつ頃から使われ始めたのだろうか?
平安時代以前は
まだ肥料の概念というものは見当たらず、
鎌倉時代あたりから漠然と、
人糞や牛糞を通して、
窒素の存在を知ることとなり、
肥溜めや肥桶も使われ始めたようだが、
当時は“神の恵み”と認識されていたであろう農産物を
忌み嫌われる汚物によって育てることには、
かなりの抵抗があったにちがいない。
しかしながら、
農民が農耕によって生計を立てるには
量産が至上命令となり、
止む無く人糞を畑に撒き散らしているその図は
現代の農家が農薬(殺虫剤・除草剤)を
噴霧している姿とシンクロするように思えてならない。
原点に帰れ!
と“自然栽培”は現代社会に
一石を投じているのである。